kokose81の日記

ニコニコからの移行です

ゴキゲン中飛車研究 対超速☖3三金型

あ、ここせです。

超速で角を狙われるのが嫌になりどうにかして速攻で捌けないものかと考えていたところ、ふと思いついた手があるので軽く研究してみました。



初手から
☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖5四歩☗2五歩☖5二飛☗4八銀☖5五歩☗6八玉☖3三角☗3六歩☖6二玉☗3七銀☖7二玉☗4六銀☖3二金(第1図)

(第1図)


このタイミングで金を上がるのはやや違和感を覚えるが、次に狙いが明らかになる。



第1図以下
☗7八玉☖5六歩☗同歩☖同飛☗3三角成☖同金(基本図)

(基本図)


さっさと角交換を迫るわけだが、☗3三角成に☖同金と取るのが今回のテーマ。
☖3二金の際に☖4二銀としていた場合、☗3三角成☖同銀に☗6五角が生じる。(参考図1)

(参考図1)


だが☖3三同金の形であれば4三の地点を金が守ってくれているため☗6五角が成立しない。
そのため、居飛車側は大人しく駒組を進めていくことになる。



基本図以下
☗3七桂☖6二銀☗6八銀(第2図)

(第2図)


当然だが、後手は陣形をまとめ上げるのに苦労することになる。
囲いをどうするか非常に悩ましかったが、今回は早囲いに絞って研究を進めた。

第2図以下、①☖7六飛と②☖5一飛あたりが考えられる。順に見ていこう。



①☖7六飛
第2図以下
☖7六飛☗7七銀☖7四飛☗6八金☖5四飛☗9六歩☖9四歩☗6六銀(第3図)

(第3図)


まず、貪欲に玉頭の歩を掠め取る☖7六飛から見ていく。
角交換をしたにもかかわらず飛車を自由に使えるのは☖3三金型ならではと言えるだろうか。



第3図以下
☖5一飛☗2四歩☖同歩☗7六角☖3二角☗5八金右☖8二玉☗2九飛(第4図)

(第4図)


銀に狙われそうなので飛車を引き上げるが、☗7六角が好打。☖4四歩を牽制しつつ、端攻めを視野に入れている。
☖3二角は悔しいところだが致し方ない。



第4図以下
☖4四歩☗3二角成☖同金☗7六角☖3三桂☗9五歩☖同歩☗9三歩(結果図)

(結果図)


☗2九飛を見て角交換を挑む。☖同金で☖同銀は以下☗2二歩☖3八角☗2八飛☖4九角成☗2一歩成☖同飛☗4二角(参考図2)で先手が指しやすい。

(参考図2)



したがって☗3二角成には☖同金と応じるが、やはり☗7六角が好手。
端攻めを決行し、結果図は先手有利。



②5一飛
第2図以下
☖5一飛☗3八金☖9四歩☗9六歩☖4四歩(第5図)

(第5図)


①☖7六飛は7六の地点が空き、角を据えられて後手が困ってしまった。
ここからは大人しく飛車を引き上げる②5一飛の手順を見ていく。
第5図以下、①'☗5六歩や②'☗2九飛あたりが考えられる。



①'☗5六歩
第5図以下
☗5六歩☖8二玉☗2六飛☖3二金☗2四歩☖1五角☗2三歩成☖2六角☗3二と☖4五歩(第6図)

(第6図)


☗5六歩は場合によっては中央を厚くしようという手。当然だが☖同飛には☗6五角がある。
☗2四歩に平凡に☖同歩も考えられるが☖1五角が工夫の一手。これに対し先手も強気に反発していく。
☖4五歩は手筋。その効果は後ほど明らかになる。



第6図以下
☗同桂☖3二銀☗4二金☖4四角☗5五銀☖同角☗同歩☖同飛☗6六角☖4五飛(結果図)

(結果図)


☗4二金に☖4四角が用意の切り返し。
5五の地点で清算したのち、☗6六角に☖4五飛と桂馬を取れるのが前図で☖4五歩と突いた効果。
結果図以下、☗3二金とするくらい。形勢は難解。



②'☗2九飛
第5図以下
☗2九飛☖3二金☗7七角☖4二銀☗2四歩☖同歩☗4四角☖3三桂☗2四飛(第7図)

(第7図)


4四の歩を支えきれないことに着目して狙いに行く。
後手はとにかく陣形をまとめることに集中する。



第7図以下
☖2三歩☗2九飛☖4三銀☗7七角☖8二玉☗2五桂☖同桂☗同飛(第8図)

(第8図)


☗2五桂☖同桂☗同飛と、このように桂交換を行うのは少々珍しいだろうか。
だが、大胆な狙いを秘めているので油断ならない。



第8図以下
☖5四銀☗5二歩☖4一飛☗9五歩☖同歩☗9四歩☖4五歩☗同銀(第9図)

(第9図)


☖5四銀で☖7二金は☗5五飛!が成立する。以下☖同飛☗同角(参考図3)と進み、☗7四桂と☗1一角成の両方が受からず、たちまち先手優勢になる。

(参考図3)


平凡な桂交換が油断ならなかったのはこの飛車ぶつけがあったからだ。
飛車交換を防いだが、☗5二歩と叩いてからもう一つの狙いの端攻めを決行。
無論後手もやられっぱなしではなく、ここから反発していく。



第9図以下
☖2四歩☗5四銀☖2五歩☗5三桂☖同銀☗同銀成(結果図)

(結果図)


☖2四歩は飛車の利きを外そうという手筋。先手は構わず突っ込み、5三に成銀を作った結果図は形勢難解。
☖2六角と自陣に利かすか、☖8四桂と攻め立てるか非常に悩ましいところである。





ここまでさも当然のように☗3三角成☖同金の形を解説してきたが、先手から容易に避けることもできる。

第1図以下
☗5八金右☖5六歩☗6六歩☖5七歩成☗同金☖4二銀☗7八玉☖4四歩☗6八銀☖4三銀(結果図)

(結果図)


基本図に進むまでの☗7八玉で☗5八金右と中央を厚くすることで自然に回避できる。
結果図への進行手順は一例。こうなれば比較的普通の将棋になる。





とまぁ、今回の研究はこんなところです。
最初は面白い形だと期待していましたが、研究を進めるほど予想以上に金の立て直しが困難との印象が強くなりました。正直私はあんまり指したくない。

今回の☖3三金型を思いついたきっかけは升田流向かい飛車や菅井流三間飛車を眺めていて思いついたものになります。普段自分が指さない将棋からもアイディアを得られることがあるので今後も柔軟な発想を持てるようになりたいですね。

ご意見・質問・感想等いただけたら幸いです。

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ゴキゲン中飛車研究 対糸谷流右玉

あ、ここせです。

先日知人と将棋を指した際、私のゴキゲン中飛車に対して糸谷流右玉を指されました。
指し方がよく分からないままボコボコにされたのが堪え、今回対策を練ることにしました。



初手から
☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖5四歩☗4八銀☖5五歩☗4六歩☖5二飛☗4七銀☖6二玉☗2五歩☖3三角☗3六歩☖4二銀☗3七桂☖5三銀(第1図)

(第1図)


☖5三銀が気づきにくい手。一見☗4五桂で角銀両取りが掛かるように見えるが、それには☖1五角がある。(参考図1)

(参考図1)


角を逃げる手が王手になり、以下☗4八金☖6四銀☗1六歩☖4二角と進む。
タイミングを見計らって☖4四歩から桂馬を取りに行き、後手有利となる。


第1図以下
☗9六角☖9四歩☗6六歩☖5四銀☗6八銀☖7二玉☗6七銀☖8二玉☗3八金☖7二銀☗2九飛☖1四歩☗1六歩☖6四歩☗4八玉☖1五歩(第2図)

(第2図)


右玉側の陣形が不十分なうちに仕掛けてしまうのが今回のテーマ。
パッと見攻めが軽すぎるように見えるがきちんと成立するのでこれから見ていこう。


第2図以下
☗同歩☖同香(基本図)

(基本図)


この局面を基本図とする。
右玉側の応手として①☗同香、②☗1六歩、③☗1七歩が考えられる。



①☗同香

基本図以下
☗同香☖同角☗1九飛☖1六歩☗2四歩☖同歩☗1六飛☖1二香(第3図)

(第3図)


☖1二香は次に☖3七角成☗同金☖1六香と飛車を素抜く狙い。


第3図以下
☗2六歩☖3三桂☗5八玉☖2五歩☗同桂☖同桂☗同歩☖4八角成☗同金☖1六香(結果図)

(結果図)


右玉側はどうにかして角筋から逃れようとするが、中飛車側は左桂を活用するのが好手順。
☖2五歩に☗同歩はやはり☖3七角成がある。
結果図は当初の狙い通り飛車を素抜き、中飛車よし。



②☗1六歩

基本図以下
☗1六歩☖同香☗同香☖1五歩☗2四歩☖1六歩☗2三歩成☖4四角(第4図)

(第4図)


☗1六歩は香車を取らせている間に手を作ろうという指し手。
右玉側はと金を作れたが、☖4四角が絶品。
☖4四歩と突かなかった理由はこの角の逃げ場所を用意するためである。


第4図以下
☗1八歩☖1七歩成☗同歩☖同角成☗2四飛☖4四馬☗2二歩☖1六歩☗2一歩成☖1七歩成☗9五歩☖2六歩(結果図)

(結果図)


馬を作ったのち再び☖4四馬と好位置に受けに利かす。
結果図はと金作りを見せ、中飛車有利。



③☗1七歩

基本図以下
☗1七歩☖1二飛☗2七金☖4四角(第5図)


ここでも☖4四歩を突かなかったことで☖4四角が生じる。
端の突破をほぼ確実にし、この時点で中飛車側が既に有利になっている。
右玉側の応手としては①’☗1六歩、②’☗3五歩が考えられる。


①’☗1六歩

第5図以下
☗1六歩☖同香☗同香☖1五歩☗同香☖同飛☗1六香☖1七歩☗1九歩☖1六飛☗同金☖1一香(結果図)

(結果図)


中飛車側は飛車を詰まされたが☖1七歩が好手。
☗1九歩で☗1六香は☖1八歩成☗5九飛☖1七と☗同金☖同角成☗1一飛☖3五歩(参考図2)と進み、☗3五同歩は☖2六馬として☖3六香を狙う。右玉の陣形を食い荒らして中飛車優勢。
結果図も飛車と金香の二枚替え、及び端の突破が見込め、中飛車有利だろう。

(参考図2)



②’☗3五歩

第5図以下
☗3五歩☖同角☗1六歩☖1八歩☗同香☖1七歩☗同香☖同角成☗同金☖1六香☗同金☖同飛☗2七角☖2六香(結果図)

(結果図)


☗3五歩☖同角と大駒を近づけて受けようとしたが、歩を渡したために☖1八歩~☖1七歩の二連続叩きが生じた。
☗2七角と飛車銀両取りを掛けるが☖2六香が用意の切り返し。
結果図以下、☗1六角や☗5四角には☖2九香成。☗3八角には☖1七飛成。☗1七歩には☖2七香不成☗同飛☖1八角とする。
中飛車勝勢といってもいいだろう。



いかがだったでしょうか。
糸谷流右玉は初見分からん殺しで苦しめられましたが、端が脆いことに着目すれば案外突破が容易だったことに私自身もちょっと驚きました。
☖4四歩を突いてがっぷり組み合ってからの攻略も検討しましたが、右玉側の反撃の準備ができていない状態で速攻を仕掛けた方がどうやら勝ちやすいようです。

ご意見・質問・感想等いただけたら幸いです。

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ゴキゲン中飛車対超速 ☖4二銀型研究

あ、ここせです。

本業(?)の動画制作の方ですが、リアルの方でいろいろとゴタゴタしたおかげでかれこれ三ヵ月程作れていない状態が続いていました。そのため動画制作の作業感覚を忘れ、取り戻すのにかなり時間が掛かりそうです。また、MMDからMMMに移ったこともあり、そっちに慣れるのにもまた時間を要しそうでして……。動画が完成するのはいつになることやら。

そんな中でも将棋の研究はできちゃうから不思議。


初手から
☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖5四歩☗2五歩☖5二飛☗4八銀☖5五歩☗6八玉☖3三角☗3六歩☖6二玉☗3七銀☖7二玉☗4六銀☖8二玉☗7八玉☖7二銀☗6八銀☖4二銀(第1図)

(第1図)


最近ちょくちょく増えてきている指し方。少し前までは代えて☖3二金が多かった。


第1図以下
☗4五銀☖3二金☗3四銀☖4四角☗2四歩☖同歩☗同飛☖2二歩☗2八飛☖5一飛☗4五銀(第2図)

(第2図)


☗4五銀と角頭を狙う。代えて☗5八金右は☖5六歩と仕掛け、これも一局。
☖4四角で☖2二角とするのは☗2四歩☖同歩☗同飛☖5四飛と進む。そこで先手には☗2五歩。☗3五歩など様々な手段があるのだが、ここで☗2八歩という手があるらしい(第a図)。

(第a図)


随分と奇妙な歩打ちだが、いずれ大駒の交換をした際に隙を無くしているという意図だ。
もっとも形勢自体は互角だが、先手がペースを握りやすい展開になるだろうか。

さて、本譜に戻って第2図では後手には①☖7一角、②☖5三角と、2種類の候補手がある。


①☖7一角
第2図以下
☖7一角☗3五歩☖3三桂☗3四銀(分岐有)☖5六歩☗2三歩☖同歩☗同銀成☖2七歩成☗同飛☖2六歩(第3図)

(第3図)


☖7一角は自然な一手。
☖3三桂はおそらくまだ実戦で現れていない手。代えて澤田-渡辺戦では☖3三銀としたが☗5八金右☖3五角に☗5六歩と進み、先手が良くなった。
☖3三桂には☗3六銀も考えられる。この変化については後述する。


第3図以下
☗3二銀成☖2七歩成☗4二銀成☖7六飛☗7七歩☖2六飛☗5二歩☖3八と☗5一歩成☖同金☗同成銀☖4九と(第4図)

(第4図)


先手は二枚替えを果たしたが、現状角が全く使えていない。
難しいが、互角の形勢だろう。



第2図以下
☖7一角☗3五歩☖3三桂☗3六銀(分岐点)☖5六歩☗5八金右☖4四角☗6六歩☖5五角☗1八飛☖5七歩成☗同銀☖5六歩(第5図)

(第5図)


☖3三桂に☗3四銀は桂頭の銀で良形ではあったが、やや上ずっていた感じがあった。
☗3六銀はじっくり指そうという意図。後手は桂頭を狙われるとまずいため動いていく。
☖5五角の飛び出しの後に歩を成捨ててから☖5六歩とするのが好手。☗同銀は☖1九角成☗同飛☖5六飛で後手優勢になる。
第5図で先手の候補手は①'☗6八銀、②'☗4八銀の2通り。


①'☗6八銀
第5図以下
☗6八銀☖4四歩☗4八金☖4五桂☗5八歩☖6四歩☗7七角☖4三銀☗9六歩☖9四歩☗8八玉☖6五歩(第6図)

(第6図)


☗6八銀は最も自然な手だが、後手は☖4四歩から桂馬を活用できる。
第6図と進んだ局面は後手有利。


②'☗4八銀
第5図以下
☗4八銀☖5四飛☗6七金☖6四歩☗7七桂☖5三銀☗7九角☖6五歩☗同歩☖2四飛☗2五歩☖7四飛(第7図)

(第7図)


☗4八銀は玉から離れるが、その代わりに3七の地点に利かしている。
第7図は先手がどうまとめるか、という将棋になるだろう。形勢は互角。



②☖5三角
第2図以下
☖5三角☗5八金右☖6四角☗4六歩☖3三桂☗3四銀☖5四飛☗3五歩☖5六歩☗4七金(第8図)

(第8図)


☖5三角はプロ間での実戦例こそないものの、floodgateでソフト同士による対局の実戦例が存在する。☗5八金右に☖6四角として角を捌こうという狙いだ。


第8図以下
☖5五飛☗3八飛☖5七歩成☗同銀☖3七歩☗同飛☖5七飛成☗同金☖4八銀☗4七飛☖5七銀成☗同飛☖4六角☗5九飛☖1九角成(第9図)

(第9図)


☖5五飛が好手。次に☖3五飛を狙っている。☖5五飛に☗同角は以下☖同角☗7七桂☖5七歩成☗同金☖3九角☗2七飛☖4八角成(第b図)と進み、これも互角の将棋だろう。

(第b図)


本譜では☗3八飛と3五の歩に紐を付けた。以下一直線に進み、第9図では飛車と金香の交換になった。これも形勢は互角だろう。



いかがだったでしょうか。この戦型はまだ実戦例が多くないため、今回は比較的あっさりめにしました。参考程度にどうぞ、といった具合です。

先手中飛車☖6四銀対抗型 ☗5五歩仕掛け 新手☗4四銀研究

あ、ここせです。


アニメ「3月のライオン」の第1クールが終わりましたが、とてもいい作品でしたね。原作と同様のギャグとシリアスの対比がよく表現されており、シャフト特有の演出も相まって非常にレベルが高く仕上がっていたと思います。10月からの第2クールも楽しみです。

劇場版?ナンノコトカナー?
あ、でもおやつシーンは良かったです。


さて、本題に入っていきましょう。



初手から
☗7六歩☖8四歩☗5六歩☖8五歩☗7七角☖5四歩☗5八飛☖4二玉☗4八玉☖6二銀☗3八玉☖3四歩☗6八銀☖5三銀☗2八玉☖7七角成☗同銀☖6四銀☗3八銀☖3二玉☗1六歩☖1四歩☗5九飛☖4二銀☗7八金☖4四歩☗6六銀☖4三銀☗7七桂☖5二金右(第1図)

(第1図)


中飛車党における課題局面。
ここからは☗7五銀とぶつける手や☗2六歩と銀冠に組み替える手が多い。

以前私はここで☗5七飛という新手を考案した(ar1143072)。
何が何でも5筋の交換を図るという狙いだったが、先手も十分戦えるというのが結論だった。

そもそもわざわざ☗5七飛と浮く必要があったのは、第1図で単に☗5五歩とするのは☖同歩☗同銀に☖5八歩☗同飛☖6九角という手があるからだ(第a図)。

(第a図)


この角打ちがあるため、先手は容易に5筋の交換ができないというわけだ。
実戦例は2局あり、いずれも☗6四銀☖5八角成☗同金☖6四歩☗7一角☖9二飛(☖7二飛は☗4四角成☖同歩☗5四角が王手飛車)☗8三銀と進んでいる(第b図)。

(第b図)


勿論これは一局の将棋であり、中飛車党も密かに研究しているのではないだろうか。
ただ、先手が攻めているのは、というよりも責めているのは玉ではなく飛車だ。それに対し後手は銀の割り打ちもしくは飛車を下して直接先手玉を狙いに来る。後手陣はまだ傷付いていないため、少々先手が踏み込みにくい変化だと思える。

そのためか、第b図が現れたプロ間での実戦例は私が確認した時点では2局しか存在しない。
それだけ先手がやりにくいということなのだろう。



だが、この戦型にはまだ隠されていた手があった。

第1図以下
☗5五歩☖同歩☗同銀に☖5八歩☗同飛☖6九角☗4四銀(第2図)

(第2図)


☗4四銀が驚愕の新手。銀ではなく歩を取るのだから常識外の一手だ。
この手はプロの実戦では現れていない。また、確認した時点では出版されている棋書にもまだ載っていない(多分)。
この手は第a図を何気なく眺めていたところ偶然思いついたものだ。ソフトの検討にかけ、有力と判断したため研究してみようと思い立った。

後手の候補手は①☖同銀、②☖5八角成が考えられる。順に見ていこう。


①☖同銀
第2図以下
☖同銀☗7一角☖5八角成☗同金☖5四飛☗5五歩(第3図)

(第3図)


一見自然に見える☖同銀だが、☗7一角が狙いの一手。
後手は銀取りを受けつつ金取りに飛車を打つが、さらに☗5五歩が好手。これを☖同飛と取るのは☗5六歩☖同飛☗5七歩で先手優勢となる。


第3図以下
☖7二飛☗5四歩☖7一飛☗8二角☖5一飛☗6八金左(第4図)

(第4図)


銀の割り打ちを防いで金を寄った局面は先手有利。先手は現状駒損ではあるが香を取れそうなのでさほど問題ではなく、なにより後手の飛車の働きが悪すぎる。
どうやら後手も自然な応手ではまずいようだ。


②☖5八角
第2図以下
☖5八角成☗同金☖8六歩☗6六角(第5図)

(第5図)


☖8六歩で☖4四銀は先程の変化に合流してしまう。
☖8六歩に☗同歩とするのは後手のいいなりになるため、先手は角を据えて攻めの姿勢を見せる。
ここで後手の候補手は①'☖4四銀、②'☖8七歩成がある。


①'☖4四銀
第5図以下
☖4四銀☗同角☖5四飛☗4八金☖4四飛☗7一角☖6二飛☗同角成☖同金☗8二飛(第6図)

(第6図)


☗4八金では☗6八金左や☗5九歩、☗5七歩も考えられ、難しいところだ。
☖5四飛で☖8七歩成とするのは、以下☗1一角成☖2二銀☗1二馬☖7八と☗8五香☖8四歩☗4四角☖3一金☗7一角成☖7七と☗8二馬(第c図)と進み、先手が少し良いだろうか。
(第c図)



第6図以下
☖5二金☗5三歩☖同銀☗6五桂☖4二銀☗8一飛成☖5九角☗3九銀☖8七歩成☗4九金☖9五角☗8七金(第7図)

(第7図)


☖5二金で☖7二銀などと桂取りを受けるのには☗8六飛成と手を戻してどうか。
と金を払った第7図は互角の形勢だろう。



②'☖8七歩成
第5図以下
☖8七歩成☗8三歩☖9二飛☗8七金☖4四銀☗同角☖5七歩☗同金☖3三桂☗7一角成☖8九飛☗4九銀打(第8図)

(第8図)


☖8七歩成は小細工無しに攻めを狙った手だ。
☗4九銀打では☗3九銀も考えられるところだ。紐が玉以外つかない代わりに、将来☖4八歩と叩く手を消すメリットがある。


第8図以下
☖8七飛成☗8一馬☖8三龍☗5四角☖4三金☗4四桂☖2二玉☗5二桂成☖同金☗6三馬☖同金(第9図)

(第9図)


後手は先手の馬をいじめに掛かる。☖4三金では銀で合駒するのも考えられる。この辺りは手が広い。


第9図以下
☗同角成☖4八歩☗6四馬☖4九歩成☗3一銀☖1三玉☗4九銀☖6八角☗5八金☖7七角成☗1五歩☖同歩☗1二歩☖同香☗2六金(第10図)

(第10図)


☗6三同角成では☗4三角成も考えられ、以下☖3二銀☗3四馬☖4八歩☗同銀☖8八龍☗4九金☖9九龍(第d図)と進んでどうか。
(第d図)

先手は堅陣の代わりに攻めが細い。先手は☗8三歩と飛車の捕獲を見せるのだろうか。互角の将棋だろう。

本譜の手順中、☗1二歩☖同香を入れるのが細かい手順。玉の逃げ道を減らしている。
☗2六金と打った第10図には後手玉に詰めろが掛かっている。詰めろを振りほどく手があまりにも多いのでこの辺りで打ち切らせていただく。局面の形勢は非常に難解。



いかがだったでしょうか。
はっきり振り飛車側が良くなる、という局面自体はあまりありませんでした。それどころか局面によっては居飛車側を持ちたい、という人も少なくないでしょう。
しかし、今回の研究で「振り飛車側に手段が増えた」ということになります。
振り飛車側にとってはメリットのみが生まれ、逆に居飛車側にとっては研究を強いられることになる(多分)わけですから。

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ゴキゲン中飛車vs一直線穴熊 後手美濃☖4四歩~☖4五歩型研究

あ、ここせです。

つい先日第1巻が発売された「将棋めし」の第1話の詰ます手順が芸術的で、かつストーリーに合った詰まし方で思わず息が漏れたのが最近の出来事です。今後の展開が非常に楽しみです。



さて、今回の研究テーマは「一直線穴熊相手に美濃で戦う」です。
後手のゴキゲン中飛車に対し先手が一直線穴熊に組んだ場合、プロ間では後手も穴熊に組むのが主流となっています。美濃囲いではなく穴熊囲いなら固さ負けすることもありませんし、同じ振り飛車穴熊でも四間飛車穴熊よりも角や銀を使いやすいといった理由が考えられるからでしょうか。
しかしまあ、やはり私を含め振り飛車党はなんだかんだ美濃囲いが好きなわけです。短手数で固く、効率の良い金銀の美しい配置。うむ、嫌いになるわけがない。
というわけで今回は美濃囲い、それも絞った形で研究を進めていきます。


初手から
☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖5四歩☗2五歩☖5二飛☗4八銀☖5五歩☗6八玉☖3三角☗7八玉☖6二玉☗5八金右☖7二玉☗7七角☖8二玉☗8八玉☖4二銀☗6六歩☖7二銀☗6七金☖5三銀☗7八金☖4四歩☗9八香☖4五歩(第1図)

(第1図)


タイトルの通り、今回はこの形に絞っています。
☖4四歩~☖4五歩に替えて☖5四銀~☖4五銀とする手も有力ですが、先手からは☗6八角といった受けの手があるため多くの場合攻め潰すことはできず、あまりお勧めできません。


第1図以下
☗9九玉☖4二飛☗2六飛☖5二金左☗5九銀☖4四角☗3六飛☖3二飛☗6八銀右☖3五歩☗2六飛☖3六歩☗同飛☖同飛☗同歩☖3九飛(第2図)

(第2図)


後手は☖4四角あたりで☖6四歩や☖9四歩も指したいところですが、☗8八銀や☗7九銀右と先手陣がより強固になってしまうため、この交換はしない方がいいでしょう。
また、☖3六歩では☖3四飛から☖3三桂としてみたいところではありますが、☖3四飛には☗5六歩があります(参考図A)。

(参考図A)


☖5六同歩☗同飛は飛車が軽くなり先手よし。かといって☗5六歩に☖3三桂は☗5五歩☖2四歩☗6五歩で先手の角が働きだしてしまいます。
この変化は「現代振り飛車ナビ(http://blog.livedoor.jp/nifu_senkin/archives/42629106.html)」で詳しく示されていますので参照しておくと良いでしょう。

さて、第2図では先手の指し手は①☗4一飛、②☗5六歩が考えられます。


①☗4一飛
第2図以下
☗4一飛☖3三桂☗1一飛成☖2九飛成☗4一龍☖1九龍(第3図)

(第3図)


後手は右桂を逃がすことで桂得を目指します。替えて☖2九飛成☗2一飛成☖1九龍と香得を目指す手順も考えられ、難しいところです。ただ桂馬の方が逃がしやすいという点があります。
☗4一龍は☗5四香の狙い。それでも後手は☖1九龍と駒を拾います。
第3図では先手の指し手は①'☗5四香、②'☗6五歩が考えられます。


①'☗5四香
第3図以下
☗5四香☖1七角成☗5三香成☖同馬☗8六角☖6四歩(第4図)

(第4図)


この一連の手順は微妙に形が異なるものの、「中飛車の基本(著:鈴木大介八段)」と同じ。

駒割りは先手が銀、後手が桂香と後手が少しだけ得しています。

第4図では先手の指し手は①"☗6五歩、②"☗4四銀が考えられます。


①"☗6五歩
第4図以下
☗6五歩☖6二香☗7七角☖2五桂☗5五角☖2九龍☗6四歩☖5一歩(結果図a)

(結果図a)


☗6五歩は後手陣の強力な馬を消そうという狙い。
これに対し前述の「中飛車の基本」に記載されている通りのまま☖8四香とすると、☗6四角☖同馬☗同歩☖8五香☗9六銀と進みます(参考図B)。

(参考図B)


そこでそのまま☖9五桂としてしまうと☗同銀☖8七香成☗8四銀☖7八成香☗同銀となり、後手敗勢となってしまいます。
たとえ書籍のように☗8八銀☖2五桂の交換が入っている形であったとしても☖8五香には☗6三銀とし、以下☖8七香成☗同銀☖同香成☗7二銀成☖同金☗5二龍(参考図C)となり先手優勢になります。

(参考図C)


そのため、☖8四香ではなく☖6二香とするのが正着となります。

結果図aでは後手陣は先手陣に引けを取らないほどまでに堅陣になりました。簡単ではありませんが、後手が指しやすいのは言うまでもないでしょう。


②"☗4四銀
第4図以下
☗4四銀☖6三馬☗3三銀不成☖6二金☗3一龍☖9四歩☗6五歩☖8四香(第5図)

(第5図)


☗4四銀は桂馬を取って駒損を回復する狙い。
馬の逃げ場に少々悩みますが☖6三馬が次に☖6二金と囲いを強化しながら龍取りで先手を取ることができます。心の余裕の端歩を突いた後に、待望の香打ち。


第5図以下
☗6四歩☖7四馬☗7五角☖6六歩☗同金☖5四桂☗6七金☖6五香(結果図b)

(結果図b)


結果図bは☖8七香成が厳しい狙いとして残っており、後手優勢です。
先手は香銀交換で得をした筈が、香車を渡したことが仇となってしまいました。

第3図に戻って香車を渡さない変化について調べていきましょう。


②'☗6五歩
第3図以下
☗6五歩☖2五桂☗5六歩☖5一金☗3一龍☖4六歩☗同歩☖1七角成(第6図)

(第6図)


☗6五歩は眠っている角を使おうという狙い。後手は桂馬を逃がしてから低い構えに組み直していきます。


第6図以下
☗5五角☖4二銀☗3二龍☖5二香☗2二角成☖3七桂成(結果図c)

(結果図c)


結果図cは先手の攻めが細い印象。
後手は☖3一歩や☖4一歩がある他、馬が受けによく利いています。
油断できるほど差がついているわけではありませんが、後手がいいでしょう。


②☗5六歩
第2図以下
☗5六歩☖2九飛成☗6五歩☖3三桂☗5五歩☖2五桂(第7図)

(第7図)


☗4一飛がダメならば、ということで先に先手陣で眠っている角をどうにかして使おうとしてみます。後手は☖3三桂~☖2五桂と、ここでも桂得を狙っていきます。


第7図以下
☗5四歩☖7七角成☗同金寄☖5四銀☗2二角☖5七歩☗5九歩☖1九龍(第8図)

(第8図)


先手はやっとのことで角を捌くことに成功。後手の主張は先手が桂馬を持っていないため将来の☗5五馬が緩和されている、といったところでしょうか。
このあたりは変化が非常に多く、難しいところです。


第8図以下
☗1一角成☖5八歩成☗同歩☖5三香☗4一飛☖3七桂成☗4四馬☖4七成桂☗4三歩☖2四角(結果図d)

(結果図d)


歩成を入れずに単に☖5三香も考えられるところです。
結果図dでは2四に打った角が攻防によく働いています。☖5一歩も残っており、やや後手有利と言えるでしょう。



いかがだったでしょうか。
変化も多く、一筋縄にはいきませんが美濃囲いでも十分戦えることが示せたと思います。
これを機にプロ間でも一直線穴熊相手に美濃囲いで戦う機会が増える……といいなぁ(笑)
もともとゴキゲン中飛車居飛車穴熊を封じることができると言われていましたが、現在では悠々と穴熊に組まれるものですから、なんだか変な気分ですね。

ご意見・質問・感想等いただけたら幸いです。


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【改定案】先手中飛車☖6四銀対抗型 新手☗5七飛

あ、ここせです。

以前書いたブロマガ「先手中飛車☖6四銀対抗型 新手☗5七飛(ar947138)」では様々なご意見を頂き、本当にありがとうございました。今回の記事はその前回の記事でご指摘いただいた不備の記載と、新たに前回の新手(?)の改定案の提示になります。




では、まずは前回の記事の不備について書いていきます。


初手から
☗7六歩☖8四歩☗5六歩☖8五歩☗7七角☖5四歩☗5八飛☖4二玉☗4八玉☖6二銀☗3八玉☖3四歩☗6八銀☖5三銀☗2八玉☖7七角成☗同銀☖6四銀☗3八銀☖3二玉☗1六歩☖1四歩☗7八金☖4二銀☗6六銀(第a図)

(第a図)


第A図は先手中飛車☖6四銀対抗型における局面です。
☗5九飛をギリギリまで保留して☖4四歩☗7七桂☖4三銀に☗5七飛とし、以下☖5二金右に☗5五歩と5筋交換を狙う、というのが前回私が施した工夫でした。

しかしながらこの手順には不備がありました。

第a図以下、☖4四歩に☗5五歩☖同歩☗5四角(第b図)

(第b図)


以下☖4三銀☗6三角成となり先手優勢です。
つまり後手は☗6六銀に☖4四歩と突いてくれず、私が想定した局面になることはありません。

また、後手は先手の早い銀上がりを咎めるべく動いてくることも考えられます。
具体的には第1図以下、☖8六歩☗同歩☖同飛☗5九飛☖8二飛(第c図)

(第c図)


一局の将棋だとは思いますがこの後は難解な変化に突入する進行が予想されます。
詳しくはこちらのブログにて取り上げて頂いておりますので、ご参照ください。
将棋・序盤のStrategy 中飛車 第10回朝日杯将棋オープン戦二次予選 高崎一生-行方尚史 棋譜検討(△郷田流)01 (http://ameblo.jp/shogi-strategy/entry-12225067455.html)


さて、どうして第b図の変化を見落としていたのか弁明させて頂きますと、「☗5五歩は無理筋だ」という先入観が強かったためだと思います。ただでさえ通常の形(☗5九飛型)での☗5五歩が無理気味であり、まして陣形が整っていない状況での☗5五歩などあるはずがない、といった気持ちが視野を狭くしてしまっていたのでしょう。反省。

この私の見落としは窪田義行七段、及び先程紹介したブログ「将棋・序盤のStrategy」にてご指摘いただきました。本当にありがとうございました。





ここからは本題である改定案について書いていきます。


初手から
☗7六歩☖8四歩☗5六歩☖8五歩☗7七角☖5四歩☗5八飛☖4二玉☗4八玉☖6二銀☗3八玉☖3四歩☗6八銀☖5三銀☗2八玉☖7七角成☗同銀☖6四銀☗3八銀☖3二玉☗5九飛☖4二銀☗1六歩☖1四歩☗7八金☖4四歩☗6六銀☖4三銀☗7七桂☖5二金右(第1図)

(第1図)


☗5九飛と引く従来の形です。☗7五銀とぶつけたり☗5五歩☖同歩☗同銀☖5八歩☗同飛☖6九角の決戦、銀冠への組み替えなどが考えられます。

これらも一局ではありますが、今回提案するのはここで☗5七飛(第2図)

(第2図)


☗5九飛→☗5七飛と一手損してでも5筋の交換を狙うのが私の改定案です。
これで先程の問題は解決しています。
問題はこの一手損がどこまで響くか。前回の記事の局面と比較して☖5二金右が入っているのは相当大きいと思われます。

後手の候補手としては①3三桂、②☖6九角、③☖8六歩などが考えられます。



①3三桂
第2図以下
☖3三桂(途中図A)☗5五歩☖同歩☗同銀☖同銀☗同飛(第3図)

(途中図A)


(第3図)


第3図以下、☖5四歩なら☗6五飛として次に☗5三歩が厳しく残り先手良し。
以前書いた記事と同様に進めて問題無いでしょう。

☖3三桂で☖7四歩などでも☗5五歩☖同歩☗同銀☖同銀☗同飛として先手がいいと思います。
つまり後手は先手の一手損を咎めなければいけません。



②☖6九角
第2図以下
☖6九角(途中図B)

(途中図B)


☖5二金右が入っていることにより☖6九角(途中図B)が生じます。
旧型では☖6一金型であったため、☖6九角以下☗8八金☖8六歩☗同歩☖8六飛☗8七歩☖同角成☗同金☖同飛成に☗9六角(参考図A)がありました。

(参考図A)


途中図B以下
☗6八金☖8七角成☗5五歩☖同歩☗同銀☖同銀☗同飛☖7六馬☗5三歩☖4二金☗5二銀(第4図)

(第4図)


本譜では☗9六角が利かないため☗6八金としてから5筋の交換を行い、中央から食い破ろうとします。ここで後手の候補手は①’☖5四歩、②’☖5一歩が考えられます。


①’☖5四歩
第4図以下
☖5四歩(途中図C)☗5六飛☖7五馬☗4三銀成☖同金☗5二銀☖5三馬☗4一銀成☖同玉☗6五桂☖6四馬☗6六歩☖4五銀(第5図)

(途中図C)


(第5図)


この辺りは変化が非常に多く、一筋縄にはいかないと思います。
先手の候補手としては①”☗2六飛、②”☗5八飛が挙げられます。


①”☗2六飛
第5図以下
☗2六飛(途中図D)☖3二玉☗6一角☖2四銀☗5八金左☖4二銀☗4六歩☖同銀☗7二金☖8四飛☗6二金☖3五銀引☗2四飛☖同歩☗5二銀☖3三金☗6三金☖7五馬☗4三歩☖同銀☗5三桂成☖5二銀☗同角成☖8二飛☗4二銀☖2三金☗4三桂成☖2二玉☗4一馬☖1二玉☗3二桂成(第6図)

(途中図D)


(第6図)


ある程度結論が出ないとスッキリしない性質とはいえ流石にやり過ぎた気がします(笑)。
☗5八金左に☖3五歩だとどうなるか?☗4六歩☖同銀の交換は入れるべきか?☗7二金に☖9二飛と逃げるとどう変わるのか?、などなど……。もうキリがありませんのでこの辺りで止めますが、この変化は玉頭戦が絡んだ先手の攻め 対 後手の受けといった展開になりやすいと思います。第6図は先手が攻め切れるかといった勝負ですが、後手を持って受けきるのは非常に困難です。


②”☗5八飛
第5図以下
☗5八飛(途中図E)☖3二銀☗5三金☖同金☗7一角☖5二飛☗5三角成☖同飛☗同桂成☖同馬(第7図)

(途中図E)


(第7図)


第7図では後手から端攻めが狙いとして残っています。第7図以下☗8二飛☖5二銀といった進行が予想されます。先手はどこかで歩切れが響くかもしれません。形勢は互角でしょう。



第4図まで戻りましょう。
②’☖5一歩
第4図以下
☖5一歩(途中図F)☗4一銀☖同金☗6五角☖同馬☗同飛☖7四銀☗5五飛☖8六歩(第8図)

(途中図F)


(第8図)


威張っている馬を消し、後手に銀を使わせたというのが先手のポイント。後手は☖8六歩と伸ばして確実な攻めを見せてプレッシャーを与えます。

第8図以下
☗7一角☖8三飛☗6二角成☖8七歩成☗5二金☖3一金☗5一金☖7七と☗5二歩成☖6四角☗5六飛(第9図)

(第9図)


それぞれ馬とと金を作り合った後、☗5二金と強引に攻めていきます。これに対し☖3一金では☖8二飛も考えられ、以下☗7一馬☖5二歩☗8二馬☖7七と、といった具合に進むことが考えられます。第9図以下は①”☖8二飛②”☖6八とが予想されます。


①”☖8二飛
第9図以下
☖8二飛(途中図G)☗7七金☖3五歩☗5三馬☖3六桂☗1八玉☖1五歩☗6四馬☖同歩☗3六歩☖1六歩☗2八玉(第10図)

(途中図G)


(第10図)


☖8二飛は飛車の横利きと角の利きでしっかり受けようという狙い。しかし☖3五歩と伸ばすと先手玉にもかなりのプレッシャーがかかります。後手の角を消して再び☗2八玉と戻った局面はやや先手有利ですがまだまだ難しいと思われます。


②”☖6八と
第9図以下
☖6八と(途中図H)☗4一と☖5八と☗3一と☖同角☗5八飛(第11図)

(途中図H)


(第11図)


☖6八とは互いに金を取り合った後にと金を取り合うといった不思議な手順になります。
後手からはまたどこかで☖6四角が厳しい手として残っています。形勢はほぼ互角といえるでしょう。



③☖8六歩
第2図以下
☖8六歩(途中図I)☗同歩☖同飛☗8七飛☖8二飛(第12図)

(途中図I)


(第12図)


最後に☖8六歩と後手が一歩交換する変化を見ていきます。
一歩手にしたことにより様々な手が生じる他、5筋交換の後に☗8五飛と飛車をぶつけられたときに歩を取られないメリットがあります。

第12図以下
☗5五歩☖同歩☗同銀☖同銀☗同飛☖5四歩☗6五飛☖4二銀☗9六角(第13図)

(第13図)


☗5五歩で☗5九飛~☗8九飛とするのは更に手損するのでやりにくいです。
☗5三歩を防ぐ☖4二銀のところで後手は一歩交換していなければ☗8五歩を防ぐために☖7四銀とする必要がありました。
第13図での後手の候補手は①'☖9二角、②'☖7四角、③'☖5七角、④'☖6九角


①'9二角
第13図以下
☖9二角(途中図)☗6六飛☖9四歩☗7五歩☖9五歩☗8五角☖同飛☗同桂☖5五角☗7一飛(第14図)

(途中図)


(第14図)


☖9二角は先手の角に狙いをつける手。飛車角交換を行い飛車角両取りをかけます。
☗7一飛では☗8六飛も考えられます。以下☖9九角成☗8二飛☖5五馬☗8三銀☖8四歩☗9二銀成☖8五歩☗同飛成(参考図)といった進行が予想されます。

(参考図)



第14図以下
☖6六角☗同歩☖6九飛☗5八銀☖9九飛成☗6七金(第15図)

(第15図)


☗5八銀~☗6七金と陣形を整えた局面は先手からは☗8二角などの狙いがあるため、やや先手有利といえるでしょうか。後手は角の活用に苦労するでしょう。


②'☖7四角
第13図以下
☖7四角(途中図)☗同角☖同歩☗7五歩☖同歩☗4六角☖7三角☗同角成☖同桂☗7五飛☖6四角(第14図)

(途中図)


(第16図)


☖7四角は先手の角を消して6三の地点を受ける狙い。
☖7三角で☖6四角と受けるのは以下☗同角☖同歩☗同飛☖6九角☗6八金☖8七角成☗6一飛成として先手有利になります。

第16図以下
☗7六飛☖8六歩☗同歩☖同飛☗同飛☖同角☗7六飛☖8九飛(第17図)

(第17図)


後手は堅陣のため飛車交換を図ります。☖8九飛で☖6四角は☗5三歩☖同銀☗7四歩と桂頭を責攻めて先手有利。

第17図以下
☗8八銀☖8七歩☗7九金☖8八歩成☗8九金☖7五銀☗8六飛☖同銀☗8八金(第18図)

(第18図)


こうなれば先手優勢です。後手は再度打った角が負担になってしまいました。


③'☖5七角
第13図以下
☖5七角(途中図)☗6三角成☖同金☗同飛成☖6二歩☗6五龍☖7四角☗7一銀☖6五角☗8二銀不成(第19図)

(途中図)


(第19図)


☖5七角は将来の攻めに期待した手。2四や1三に馬を作って受けに利かすこともできます。
折角作った龍を消されるのは少々勿体無いですが仕方ありません。

第19図以下
☖7四角☗7一飛☖6九飛☗5八金打☖1三角成☗8一飛成(第20図)

(第20図)


形勢は互角ですが先手陣は固く、後手の角が使いにくいのでやや先手の方が指しやすいでしょうか。☖5七角は少々消極的かもしれません。


④'☖6九角
第13図以下
☖6九角(途中図)☗8八金☖9四歩☗5九金☖9五歩☗8五角☖9三桂(第21図)

(途中図)


(第21図)


危険なようですが囲いの金を角に当てて責めにいきます。☗8五角☖9三桂の交換が先手の得になっているのかは微妙なところです。

第21図以下
☗6三角成☖同金☗同飛成☖8七角成☗同金☖同飛成☗6五桂☖8九龍☗4九金打(第22図)

(第22図)


互いに角を切り合った後にしっかりと金を自陣に投入。囲いの金が離れても問題無かった理由は金の入手がほぼ確定していたためです。先手は桂馬の活用が見込めるのと玉形の差で先手有利です。




いかがだったでしょうか。
☗5九飛~☗5七飛の一手損の弊害は予想以上に大きく、5筋の交換を果たしても難しい局面が多いものとなりました。研究する前の私もそこまで変わらないだろうと高を括っていたために非常に苦労する羽目に……。
それでも互角、或いはそれ以上に戦えることが分かったことから、5筋の交換は先手にとって非常に大きいということが再認識できます。勿論囲いに手を入れてじっくりした戦いにするのも一局だとは思いますが、こういった捌きこそが中飛車の醍醐味だと私は思います。

また、今回もソフトを用いて検討を行いました。
具体的には、自分で指し手を考える→ソフトで確認→修正といった順です。精度が上がるだけではなく、トレーニングにもなるので私はこの方法をよく用いています。もっとも、今回は難解な局面が非常に多かったためにソフトに頼る場面が多くなってしまいましたが・・・・・・。

この研究が中飛車を好む人々を始めとした将棋好きの皆様のためにならんことを。


~余談~
この頃将棋ソフトに関して揉めているのをよく目にしますが、人とソフトの対立ではなく、人とソフトの共存を目指すのが将棋界にとって最良の選択ではないかと思っております。
少なくとも将棋界には、囲碁界のようなソフトと歩み寄る姿勢があまり感じられません。



使用ツール
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東方棋天録の引継ぎに関して、及び重要連絡

あ、どうも、ここせです。

以下「【第8回東方ニコ童祭Ex】東方棋天録 第二局」のネタバレを含みますのでご注意ください。重要連絡は記事の最後にあります。




本編をご視聴いただきありがとうございます。
今回、れがる氏の東方MMD将棋ドラマ『東方棋天録』を引き継ぎ、制作することになりました。MMDドラマのシリーズものの引継ぎといった異例の出来事に驚いた方も多かったのではないでしょうか。

東方棋天録を引き継いだ経緯なのですが、
私「東方MMD将棋ドラマでシリーズものを作ろうと思う」
れがる氏「じゃあ引き継いでみる?」
私「うん」
と非常にあっさりしたものでした。

そんなに呆気なく決めてよかったのかと思われるかもしれませんが、私にとっては十分でした。と言いますのも、れがる氏曰く「ぶっちゃけ次の話の内容はほとんど考えてなかった」だそうで、私としてもあれこれ好きなようにお話を作れるので問題無く、むしろお話を作る上で必要な土台を予め用意してもらったようなものです。

さて、私の作った動画が前任者のれがる氏と比べて作風が大きく異なっていたのが分かると思います。れがる氏は将棋の対局内容を重点にしているのに対し、私は将棋を指すうえでのエピソードに重きを置いています。

これにはちゃんとした理由がありまして、そもそも将棋の動画を作るのであればMMDよりも立ち絵をお借りして紙芝居劇場のように作った方が遥かに盤面の把握が容易であり、また動画制作の効率も圧倒的に上回ります。れがる氏は画面の一部に盤面を表示し続けるといったことで盤面の把握を容易にしていましたが、動画を見る限りそちらの方が主画面になり、MMDで動かしている映像の方がおまけ、といった具合になってしまっていました。

「ザ・ガチ将棋」といった動画は立ち絵を使うなりして作られた動画に任せて、私はキャラの細かい心情や指し手の手つきなどMMDでしか表現できない将棋の動画を作りたいと考えております。なので今後も私のスタイルは変わりません。これはれがる氏も了承しており、むしろ推奨しています。そのあたりご理解いただけると幸いです。

さて、本編の内容に話を変えましょうか。
今回の動画テーマはズバリ「常識に囚われない将棋」です。
ここ最近は少しだけ落ち着いてきたと思いますが、プロの対局で研究合戦のような将棋が爆発的に増えました。特に角換わりや横歩取りではその傾向が激しかった記憶があります。まあ私の言いたいことは動画の方で早苗さんがほとんど言ってくれています。

私も一時期流行の戦型を追い続けていた時期がありました。そうして自分自身の将棋を見失い、中身がない空っぽの将棋を指し続けました。あるときふっとそれに気づいて恐怖を覚え、流行の戦法の研究をやめました。今では自分が指したい将棋だけ指すようにしています。

私はプロ棋士のそういった序盤の研究発表会のような将棋についてはまったく非難しておりません。将棋は勝負であり学問であり文化である。これが私の考えです。
序盤の研究によって将棋の世界が開拓されていくのであればそれは喜ぶべきことです。

話題を変えましょう。
今回動画に使用した自作の将棋盤アクセサリを配布いたします。
利用規約をきちんと守ってお使いください。一部特殊な規約がありますので絶対に確認してください。


今後も動画投稿を続けていくつもりです。
……なのですが、以前(1年以上前?)に将棋でシリアスものを作ると息巻いていましたが、そちらは誠に申し訳ありませんがお蔵入りとなります。これで本当に私が伝えたいことは受け取り手に分かってもらえるのか?と悩み、どんどん内容を増やしていった結果纏められなくなりました。動画としては完全にお蔵入りになりますが、もしかしたら気まぐれで何か別の形で世に出すことになるかもしれませんが、あまり期待は持たない方がよろしいかと思います。
引き継いだ東方棋天録はもちろん続けていきます。ただ、別の動画を挟んだりしてゆっくりとしたペースで更新していくことになりますので、気長に楽しみにしていただけると幸いです。



〈重要連絡〉
ここ最近、私の名前を騙って他の方の動画に荒らしコメントをする不届きものがいるとの報告を受けました。具体的には「MMDなんだから紙芝居じゃなくて動かせ(課金将棋のここせ)」といった内容です。これらは私のコメントではありません。

確かに今回の第8回東方ニコ童祭Exの講座で私は東方MMDドラマ制作講座に発表者として参加し、「MMD初心者だから紙芝居」 は盛大に間違った考えであり、「MMDは折角のモデルを動かすための3DCGツールなのでガンガン動かしてモデルに息を吹き込もう」とは言いましたが、あくまで提案であって強制するものではありません。私にも紙芝居で好きな作品はあります。そのあたりを誤解されないようお願いします。